【行政書士が解説】医療機器修理業許可を取得するには?要件や手続きの流れ

医療機器修理業許可の取得要件と手順を解説した記事のアイキャッチ
石野 享
行政書士/元・総括製造販売責任者
歯科用医療機器メーカーで開発業務とともに総括製造販売責任者として体制の維持管理に従事

参入にかかるお悩み相談から、申請代行までワンストップでご対応します。

医療機器の修理を事業として行うには、原則として「医療機器修理業許可」が必要です。 しかし、「どこまでが修理なの?」「保守点検も許可がいるの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

今回は、医療機器修理業許可の基本から、取得するための要件、手続きの注意点までを元・総括製造販売責任者の行政書士がわかりやすく解説します。

目次

医療機器修理業許可とは?

そもそも「医療機器の修理」とは、故障、破損、劣化等の箇所を本来の状態・機能に復帰させることをいいます。 不具合の有無にかかわらず、解体して点検し、必要に応じて劣化部品の交換を行う「オーバーホール」も修理に含まれます。この修理を「業」として行う場合、事業所ごとに都道府県知事の許可が必要です。

許可が【不要】なケース

清掃、校正(キャリブレーション)、消耗部品の交換といった「保守点検」のみを行う場合は、修理には含まれず、許可は不要です。

要注意!「改造」は別の許可が必要

医療機器の仕様を変更するような「改造」は修理の範囲を超えてしまうため、別途「医療機器製造業」の登録等が必要になります。

許可を取得するための3つの主な要件

許可を取得するには、主に以下の3つの要件を満たす必要があります。

1. 責任技術者の設置

事業所ごとに、修理を実地に管理する「責任技術者」を置かなければなりません。 責任技術者になるには、扱う医療機器の分類に応じて、実務経験と講習の修了が求められます。

特定保守管理医療機器の修理を行う場合特定保守管理医療機器「以外」の修理を行う場合
医療機器の修理に関する業務に3年以上従事した後、厚生労働大臣の登録を受けた者が行う「基礎講習」および「専門講習」を修了した者医療機器の修理に関する業務に3年以上従事した後、「基礎講習」を修了した者

2. 構造設備基準を満たすこと

修理を行う事業所は、作業を安全かつ衛生的に行うための基準(薬局等構造設備規則)を満たしている必要があります(薬局等構造設備規則 第5条引用)。

  • 作業を行うのに十分な面積、適切な採光・照明・換気があること
  • 構成部品や修理済み機器の保管設備があること
  • 修理や試験検査に必要な設備・器具があること(※試験検査については、他の機関を利用できる場合もあります)

3. 欠格条項に該当しないこと

申請者(法人の場合は、薬事に関する業務に責任を有する役員を含む)が、過去に許可を取り消されてから一定期間経過していない、禁錮以上の刑に処せられた等の欠格条項に該当しないことが必要です。

修理区分(カテゴリー)に注意

医療機器修理業許可は、一度取ればどんな医療機器でも修理できるようになるわけではありません。

対象となる医療機器は「特定保守管理医療機器」と「それ以外」に分かれ、さらに機器の種類によって以下の「9つの区分」に細分化されています。

特定保守管理医療機器の修理
特管第1区分:画像診断システム関係
特管第2区分:生体現象計測・監視システム関係
特管第3区分:治療用・施設用機器関連
特管第4区分:人工臓器関連
特管第5区分:光学機器関連
特管第6区分:理学療法用機器関連
特管第7区分:歯科用機器関連
特管第8区分:検体検査用機器関連
特管第9区分:鋼製器具・家庭用医療機器関連
特定保守管理医療機器「以外」の修理
非特管第1区分:画像診断システム関係
非特管第2区分:生体現象計測・監視システム関係
非特管第3区分:治療用・施設用機器関連
非特管第4区分:人工臓器関連
非特管第5区分:光学機器関連
非特管第6区分:理学療法用機器関連
非特管第7区分:歯科用機器関連
非特管第8区分:検体検査用機器関連
非特管第9区分:鋼製器具・家庭用医療機器関連

例えば、「特管第1区分」の許可を持っていても、「非特管第1区分」の機器を修理することはできません。自社が修理したい機器がどの区分に該当するのかを事前にしっかり確認し、それぞれの区分に応じた許可を申請する必要があります。

申請手続きにおける重要ポイント

申請は各都道府県の担当窓口(薬務課など)に行いますが、手続きを進める上でつまずきやすいポイントを紹介します。

事前の「業者コード」登録が必須

新規で許可申請を行う前に、厚生労働省に対して「業者コード」の登録手続きを行う必要があります。このコードを取得してからでないと、都道府県への申請書類(FD申請ソフトでの作成など)の準備が進められないため、一番最初に取り掛かるべき手続きです。

膨大な添付書類の準備

申請書に加えて、法人の登記事項証明書、責任技術者の資格を証明する書類(雇用契約書や講習修了証)、事業所の平面図・配置図、保管設備や試験検査設備の概要など、多くの書類や図面を作成・収集する必要があります。

まとめ

医療機器修理業許可は、人の命や健康に関わる機器を扱うため、要件(特に責任技術者の資格と厳格な修理区分の特定)が細かく、書類準備のハードルが高い手続きです。

スムーズに事業をスタートさせるためには、事前のしっかりとした要件確認とスケジュール管理が不可欠です。

「自社のケースで要件を満たせるかわからない」「本業の準備が忙しくて書類を作る時間がない」といった場合は、専門家である行政書士にぜひご相談ください!煩雑な手続きをしっかりサポートいたします。

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この記事を書いた人

歯科用医療機器メーカーで設計開発に従事。
設計開発と同時に総括製造販売責任者も兼務し「品質管理」「製造販売後安全管理」の体制の維持管理を経験。

退職後、行政書士として中小の事業者のサポートを行う。

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