【図解】医療機器の「認証」と「承認」の違いとは?【元・総括製造販売責任者が解説】

自社の製品が「認証」か、「承認」になるのか分からず悩んでいませんか?
言葉が似ているので混乱してしまいますよね。
私は今は行政書士として活動していますが、前職は歯科用医療機器メーカーで承認申請と認証申請の両方を経験してきました。手続きの判断を間違えると、開発スケジュールの大幅な遅れや予期せぬコストが発生する恐れがあります。
本記事では、以下のポイントを現場の視点から分かりやすく解説します。
- 認証と承認の違い
- 審査にかかる労力と期間の差
- 手数料(コスト)の考え方
自社製品がどちらに該当するのか、迷っている方はぜひ参考にしてください。
制度の基本整理|医療機器の「認証」と「承認」の違い

【認証】第三者認証機関が「認証基準」に適合することを審査する
クラスⅡの医療機器(管理医療機器)の大部分は、厚生労働大臣が登録した民間の第三者認証機関(登録認証機関)による認証審査の対象です。
あらかじめ定められた認証基準(JIS規格や国際規格に基づくもの)への適合を、試験データや文書で示すことが求められます。基準が明文化されているため、「何を揃えれば審査が通るか」の見通しが立てやすいのが特徴です。
【承認】PMDA(国)が直接審査する
クラスⅡ医療機器の一部(認証基準がない品目)や、クラスⅢ・Ⅳなどの高度管理医療機器は、PMDA1(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)による承認審査を経る必要があります。
認証審査と比べ、求められる資料の量・深度ともに大きく異なり、照会対応も発生するため、審査期間・コストともに大幅に増える傾向があります。
▶︎ クラス分類について、以下の記事で解説しています。

「認証」と「承認」の審査期間とコストの「読みやすさ」の差
審査にかかる「労力」と「期間」は大きく異なる
承認審査と認証審査では、要求されるデータ量が大きく異なります。
また、承認審査ではデータ量だけでなく、記録の作成時期に矛盾がないかなども厳格に確認され、より厳しく審査されます(認証審査が緩い訳ではないですが)。
認証申請の審査期間は申請品目により異なりますが、スムーズに進めば3〜4ヶ月程度です。一方で、承認申請となるとデータ量も膨大になり、私が前職で携わった歯科用の金属3Dプリンター用材料では1年半近くかかりました。
審査手数料(コスト)の違い
認証品は、品目や会社(第三者認証機関)ごとに差がありますが、概ね数十万円程度です。
第三者認証機関ごとに得意な分野などもあり、費用面と合わせて選択することも有効です。
承認品は区分ごとや承認基準の有無などで手数料が異なりますが、100万円を超えることもしばしばあります。
医薬品医療機器法に基づく審査・調査の手数料
「認証」「承認」を間違えると起こりうるリスク
前述の通り、認証と承認を間違えると余計な時間と費用がかかる恐れがあります。
そして、認証か承認かの判断が難しい場面にはしばしば出逢います。
「承認と思って準備していたら実は認証だった」場合は十分な準備ができていることが多いのでまだマシですが(余計な準備コストがかかりますが)、その逆は準備していたものがすべて無駄になる可能性もあります。
正確に把握するにはPMDAへの相談が確実ですが、高額な費用がかかります(全般相談は無料ですが)。
相談前にぜひお問い合わせください。情報整理のお手伝いができます。
まとめ
認証と承認の違いは、制度の話であると同時に、プロジェクト全体の設計に関わる実務の話です。
- 認証は「スケジュールが読みやすい」が、基準の範囲に縛られる
- 承認は「自由度は高い」が、期間・コスト・リソースへの影響が大きい
どちらのルートが適切かは、製品の仕様・開発フェーズ・社内リソースによって変わります。判断に迷う前に、まず「どういう選択肢があるか」を整理することが、無駄のない申請への第一歩です。
ご不明な点や、自社製品がどちらに当たるかの整理については、お気軽にお問い合わせください。
- PMDA:独立行政法人医薬品医療機器総合機構 ↩︎







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